「クラフトビール」と「地ビール」の違いは?
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クラフトビールと地ビールの差は何?
こんばんは。お酒のタニーズ、専務の中川です。題名にもなってますが、この質問を実はよくされることがあるので、僕の意見も含めてお答えします。
正直いうと基本的には同じで小さな醸造所で作るビールをさします。1994年の酒税法改正で年間2000kl作らなくていけなかったのが600klに変更。もともと大手メーカーしか作れない大量のビールも少量タンクでも製造できるようになったので小さな醸造所でも作ることができるようになったということです。
その時にビール会社以外も参入し各地でビールを作りました。そして観光資源の目的で商品開発したご当地ビールこそが、地ビールに当たります。これは当時いろんな地域で作られました。地ビールは旅行先や出張先で飲まれたりお土産として販売させれ、一大ブームになりましたよねー。(もちろん今もありますよ)
ただそのブームは過ぎ去り、地ビールというのをあまり聞かなくなっていきました。よくよく考えるとそりゃそうだと思うんです。だってそのビールに想いなんてなく、利益と地域活性化をメインに考えられていたからです。
それに日本のビールはピルスナータイプがほとんどです。ピルスナータイプとは僕らがよく口にするビールと思ってくれればいいです。当時、他にもいろんなタイプのビールがあるということがうまく伝わってなかったと思うんです。だから飲む人が「クセがある」「いつもと違う」と言って1杯は飲むものの2杯目は元のビールに戻ると言ったことが多かったのではないかと思います。
でもクラフトビールはその部分が違うんです。
まず1番違うところは作り手の想いの部分。「自分達が飲みたい美味しいビールを作る」と言った部分です。この部分に共感してもらえた人に飲んで欲しいと言ったこだわりがあります。利益や観光目的にしている部分は少ないのが地ビールと一番違うところだと僕は違いを言われた時によく説明します。
静岡新聞のコラムに共感
下記の写真をご覧ください。
*静岡の酒屋仲間である、杉山さんからお借りしたものです。
字が小さいので抜粋して拡大しますね!
醸造家の責任者のブライアンベアードさんは、私たちが何気無く使う「地ビール」と言った部分を敬遠する。「町おこしが目的じゃない。職人の魂を大切にして作っている」クラフトビールは個性が溢れる出るもの。飲み手に好き嫌いが生まれるものは仕方ない。
「ビール工場はきつい、汚い、危険。でもね・・・カッコいい」。謙虚を交えながらにやりと笑うベアードさんにクラフトマン(職人)の誇りを感じ取った。
これはベアードビールの醸造家、ブライアンベアードさんのインタビューがコラムとして掲載されたものです。
僕はとても共感したので、先日Facebookでもシェアさせてもらいました。「地ビール」と「クラフトビール」は同じ意味であるかもしれないですが醸造家の想いが違う。これはビールだけではなく、日本酒やワイン。また蒸留酒のウイスキー、焼酎も同じです。全員に美味しいと言って欲しいがやはり好みというものがあります。だから自分が作ったものを「好き」と言ってもらえる人に共感してもらえればいいと思っているのではないでしょうか。
地域活性化の部分は否定しませんし、利益も大事です。もちろん大事な部分ですが作り手の想いが詰まった飲み物や食べ物が、結果的に地域活性化になって行くことが何より大事なのではないかと思います。
クラフトビールは作り手の想いも感じて飲んで欲しいし、僕たち酒屋もそれを伝えていかなくてはいけないとも思っています。今日はそんな部分が少しでも伝わればと思い、ブログにしました。
今日は以上です。ではまたまたーーー
プロフィール

- 香川県観音寺市の酒屋「タニーズ」の専務 中川です。「その先の笑顔の為に」を理念に飲食店さんを全力サポート!もちろん一般小売・全国発送もしています。広島カープ、ゴルフ、お酒を飲むことが好き。そして何より仕事も趣味も仲間とワイワイ楽しむのが1番好きです!ビアテイスター、ビール検定2級
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