これからの飲食店の姿。それは当たり前を実践している「本物の店」
こんばんは、お酒のタニーズ中川です。
地元香川県は幸いにも感染者ゼロが続いている毎日。ただこの2ヶ月間、相当被害を受けた飲食店さんはすぐに元通りというはわけにはいかないですが、これから少しずつでも上向いて行ってくれればいいなと思っています。もちろん最大の予防はしながらになりますし、まだまだ安心できる状況ではありませんがね。
酒屋である我々も今まで経験したことの無いような事が起こり、本当にどうすればいいか分からない事もたくさん経験させてもらいました。そしてそんな状況だからこそ、改めて感じた事は「本物の店」しか残らないのではないかという事です。これは飲食業だけではなく、いろんな業種にも言える事ですけどね。では僕が改めて感じた本物の店とは。
それを感じたのは、先日、都会の飲食店さんが取材を受けていたのをテレビで見た時です。確か、緊急事態宣言が開けて夜の営業が再開した時期でした。お店側は客席を減らし、できる限りの対策を取り営業している姿が映し出されていました。店主もインタビューも受けて、かなり厳しい状況を説明していました。飲食店ではない僕ですが酒屋としてバックヤードから飲食店さんの状況をよく見させてもらっているので、痛いほど現状の辛い気持ちもわかります。なんせ酒屋も結構被害受けてますんで(苦笑)
ただテレビの映像が次に変わった瞬間に「あれ?」と思ってしまいました。それは来店されたお客さまにビールサーバーで生ビールを注ぎ、提供している映像でした。何気ない仕事風景のつもりで映像を流したのかと思いますが、僕は唖然としてしまいました。それは明らかにダメな注ぎ方でお客さまに提供したビールだったのです。
通称「カニ泡」。読んでそのままですが、ビールを注いだ時にできた気泡が大きな泡で、泡が荒く、すぐに消えてしまいます。通常でしたらビールを注ぎ、その後に泡付けをする事でビールの美味しさを泡が守ってくれるのですが(泡付けの有無はビールの種類にもよります)、その「泡付け」という作業をせずに提供していたのです。
「お客さまが泡はいらないって言ったかもしれないじゃないか!」という可能性もあるかもしれませんが、それならもう少し丁寧に注ぐべきかなと(笑)もし僕があの注ぎ方で提供されたらすぐに店を出ますね。あ、ビール自身は悪くないので注がれたビールは飲みますがね(笑)
ビールサーバーで生ビールを注ぐのは何も難しい作業ではありません。飲食店さんならしっかり講習も受けているはずですし、これは当たり前の作業でもあります。たまたまそれで提供したとも思えないので普段からそうやって提供しているのでしょう。
ビールの取り扱いに関しては他にも、営業後に毎日洗浄はしているのか?生ビールを繋ぎっぱなしで帰っていないのか?グラスは手洗いして自然乾燥させているのか?生樽を繋いで美味しい時期で樽を空けれているのか?などこれくらいはすぐに思いつきます。もちろん、飲食店さんには、料理にも多くの当たり前があると思いますし、接客や清掃など、お客さまをお招きするにあたって多くの当たり前が存在すると思います。
僕が思う「本物の店」とは高級な食材や特別なお酒を提供するだけではないと思います。毎日の当たり前にしている作業やしなくてはいけない事を、当たり前にやっている事が1番大切なのではないかと思っています。
まだまだ元の状態には戻っていない状況です。ただそういう時こそ、普段やらなければいけない地道な事がしっかりできているか、もう一度確認してみてはいかがでしょう?
美味しいビールは2杯目に繋がりますよ!
今日は以上です。ではまたまたーーーー
プロフィール

- 香川県観音寺市の酒屋「タニーズ」の専務 中川です。「その先の笑顔の為に」を理念に飲食店さんを全力サポート!もちろん一般小売・全国発送もしています。広島カープ、ゴルフ、お酒を飲むことが好き。そして何より仕事も趣味も仲間とワイワイ楽しむのが1番好きです!ビアテイスター、ビール検定2級
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