「今日は〇〇が食べたい」と思った時にすぐイメージされる店作りを

個々に色んな意味で特別な年になっている2020年。我々酒販店も例外ではなく、大苦戦が続いてます。現在は4月の緊急事態宣言のどん底は脱したものの、この先の状況でどっちに転ぶか分からないと思っています。個人的な思いではありますが、それくらいの危機感を持って仕事をさせてもらっています。

その危機感を持ちながら僕が常に頭で思っている事は今まで通りは通じないという事。これはコロナでなったというより、コロナで数年後に起こる事が早送りして来た感じ。ですから、今まで積み重ねきた事と新しく始めることをしっかり融合させる事がどの業種も必要不可欠。
そして以前より「考えるだけではなく動く」という事がこれから特に大切になってくる気がします。これは我々酒販店のお客様でもある飲食店にも言える事で、今まで通りは中々通じなくなって来ています。ただ逆にこれをチャンスに変えられる飲食店もこの先できてくるのではないでしょうか。

ではどんな飲食店がこの先チャンスをものにできるのか?それはキラーコンテンツを持っているかという事が重要になるのではないかと思います。簡単にいうとお客さんがお腹が空いて「〇〇が食べたい」と思った時に、あなたのお店をイメージしてもらえる様になる事が非常に大切になると思うのです。
実際、徐々に回復しつつある飲食店の中でも専門店の方が集客の戻りが早い気がしています。やはり専門店という業態は顧客が食べたいものをイメージしやすいのがあるのかなと思います。

「うちは看板メニューはないけど、全部うまいんだよ!」

そんな声が聞こえて来そうですので、先ほども言った様にお客さまが「〇〇食べたいから△△店に行こう!」と思ってもらう事が大切なわけです。もちろん、すべてが美味しいという事は大切で、今までの積み重ねがあってこその事だと思います。ただその中でもお店がこれを食べて欲しいという料理や飲み物がきっとあるはずです。

先日、ある焼鳥屋さんに行きました。初めて伺ったのですが平日にもかかわらず、ほぼ満席。接客も料理も抜群に良く、2時間ほど滞在しましたがみんなで大満足で帰りました。ではこの店は焼鳥のフードメニューしかないのかというとそうではないんです。お酒のアテ、お造り、ご飯もの、デザートと居酒屋さんの豊富なラインナップと何ら変わらないし、どれも美味しいんです。ただここには「焼鳥」というキラーコンテンツがあるんです。

「今夜は焼き鳥が食べたいなー。あ!○○屋に行こう!」

こうなるわけです。そして接客もいい上、色んな料理を食べて大満足で帰られる。そして良いイメージが残っているわけですからまたリピートする。まさに無双状態w。

現在、Go To Eatなどで飲食店が潤う様に色々な政策がとられていますが、それが終了するとお客さんの外食頻度は少し落ちると思います。1ヶ月に3度の外食していた人が2度くらいにはなるんじゃないかなと個人的に予想しています。ただ回数が減る分は1度外で食べる時のリサーチは以前に増して格段に上がるでしょう。そしてセレクトしたお店への客単価は以前より上がる可能性もあります。

ですからイメージできるお店はとても大切なコンテンツになります。今までの様に「美味しい料理と種類豊富なお酒でお待ちしています!」では中々難しいし、それはどこも当たり前にやっている。「〇〇が食べたいから△△屋に行こう!」「あのゆったりした雰囲気でお目当ての〇〇が食べたい!」のような事を思うお客さんにどうアプローチをかけるか。そして飲食店側はターゲットは全員ではなく、どんなお客さんに来てもらいたいのかを考える事。

今まで積み重ね来た豊富な経験と選んでもらうためにこれからどう動いていくか。やってきた事と新しい事を融合してもう一段階上の飲食店を目指す事が今からの飲食店だと思います。なんか偉そうな事を言いましたが、少しでも参考になればと思います。

 

今日は以上です。

 

プロフィール

中川 浩行
中川 浩行
香川県観音寺市の酒屋「タニーズ」の専務 中川です。「その先の笑顔の為に」を理念に飲食店さんを全力サポート!もちろん一般小売・全国発送もしています。広島カープ、ゴルフ、お酒を飲むことが好き。そして何より仕事も趣味も仲間とワイワイ楽しむのが1番好きです!ビアテイスター、ビール検定2級